「女の秘密」というタイトルだけで、とても興味をそそられるドラマです。視聴しての感想としては、女性の嫉妬というのは、ここまで人の人生を狂わせるというものでした。
女の秘密は１０４話あります。あらすじをご紹介しますが、ネタバレしてますのでご了承ください。あらすじでネタバレを見たくない人は、韓国ドラマが充実したこちらの記事を参考にしてください。
目次
ジユとソリン
ヒロインであるジユは、あらゆるものに恵まれていました。美しく、愛情深い家庭に生まれ、愛する人を得る。女性としての幸せとはこういうものだという事を見事に体現したような人生です
ですが、その事でジユは妬まれてしまうのです。ジユの幸せを妬むソリンによって、ジユは愛する人を奪われ、交通事故によって記憶さえ失ってしまうのです。
愛するガンウが目の前に現れても、彼女には誰かさえ分からないのです。「女の秘密」。それは、誰もが秘めている嫉妬心かもしれません。
自分よりも容姿が美しい。自分よりも裕福な生活をしている。そして、自分には手が届かない男性に愛されている。
普段は言えない嫉妬心は、女性を変えてしまいます。ドラマを見ての感想は、ドラマとは言え、女性の嫉妬心と言うのは、ここまで執念深いのかと思いました。
いっその事、記憶を失ったままの方が、ジユにとっては良かったのかもしれないと思いました。
ジユの復讐
記憶が戻ったジユが次第に復讐へと心を傾ける様子は、見ていて切なかったです。もちろん、ソリンがした事を考えると、ジユの復讐心はもっともなのですが、あんなに優しく微笑んでいたジユが憎しみの表情を浮かべるのが、なんだか悲しげに見えました。
「女の秘密」のもう一人のヒロインとも言えるソリンの事も、嫌いにはなりきれなかったのです。
なぜなら、彼女が思う事は、どんな人でも１度は考えてしまう事だからかもしれません。酒浸りの父親に、家政婦として惨めに働く母親。
更に、ジユに傘を届けに行ったが為に、女性としての自尊心を傷つけられる事件に遭遇してしまったソリンは、なんとか人生を変えたかったのだと思います。
名前を変えて、ジユを陥れても、ガンウと結婚し、幸せを掴みたかったのだと思います。そう考えると、ソリンを責めきれないのです。
ましてや、彼女は肝心な物をジユから奪えませんでした。それは、ガンウの心です。ジユが亡くなったと誤解したガンウはソリンを選びました。ですが、その心まではどうにもならないのです。ガンウは、やはりジユを愛し続けていたのです。ソリンにとって、これほどまでに惨めな事はなかったと思います。
次第に追い詰められる彼女の姿には、哀しみしかないように見えました。やはり、誰かを陥れた者が幸せになる事はないのだと、ソリンは自らで学んだのではないでしょうか。
「女の秘密」というタイトル
「女の秘密」というタイトルですが、ガンウやジユを支えるソノにも注目して欲しいと思います。
ガンウは、ジユを守りきれなかった自分を責め、ソリンに対して怒りと憎しみを抱きます。そして、ずっとジユを想っていたソノは、まるで雨から守ってくれる傘のように、ジユを守り続けます。
二人の男性の愛もまた、このドラマを盛り上げてくれます。ジユの心を取り戻してくれたのは、マウムの存在も大きかったのだと思うのです。
事故で意識を失っている間に出産したマウムを、ジユは育てる事は出来ませんでした。母親として、可愛い盛りの子供の成長を見られなかった事は、本当に悔やまれたでしょう。
最初からジユはマウムに何かを感じていました。それは、母親としての愛から来るものなのだと思いました。
元の優しいジユに戻ってくれて良かったと思いました。ジユは、窮地に陥ったソリンの母親をなんとか救おうとしました。自分を陥れた人物の母親を救うというのは、不通は出来ないと思うのです。
結局、人を陥れたソリンは警察に捕まり、全てを失いました。ジユは改めて自分にはガンウが必要である事が分かり、ガンウとマウムとの穏やかで幸せな生活を手にしました。
もし、ソリンが嫉妬に心を支配されなければ、彼女にもきっと幸せな人生があっただろうと言うのが感想です。
復讐が絡むドラマを見てきましたが、その殆どの感想が、幸せになった事への安堵感に満ちた物が多かったのですが、ここまで明暗がハッキリと別れるドラマは珍しいと思いました。一つの感想では、語りきれない内容だと思います。
「女の秘密」というのは、ジユを嫉妬し、彼女を陥れようとしたソリンの、心の秘密でもあったと思います。
道徳的な意味合い
本来、彼女の心はあれだけ嫉妬心に満ちた物ではなかったはずです。ですが、そんな彼女の心を嫉妬心が変えてしまった。
嫉妬心から変わった彼女の、心の奥底に眠っている、純粋な心を、おそらく誰も気がつかないというのも、ある意味、秘密なのかもしれないと思いました。
ジユの幸せな笑顔を見ていると、ソリンにも心にもこんな風に笑って欲しかったと思います。ドラマを見終わった後、誰かと自分を比べるのはやめようと、真摯に考えさせられるドラマでした。単なる復讐ドラマではなく、そこには道徳的な意味合いも強くあると思うのです。
