白い巨塔(2003年のテレビドラマ)の感想

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医局の権力闘争

白い巨塔(2003年のテレビドラマ)は山崎豊子の長編小説を映像化した作品で、大阪の浪速大学医学部が舞台となっています。

 

主な登場人物は、上昇志向が高く教授の座を目指して権力闘争に積極的に参加する「財前五郎(唐沢寿明)」と臨床研究や診察にエネルギーを注ぎ、院内での派閥争い等に一切興味を示さない「里見脩二(江口洋介)」の2名となっています。

 

内容としては医局の権力闘争を通じて人間関係のドロドロ感を描くとともに、本来医療とはどうあるべきなのかということを考えさせられる作品となっています。

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このドラマはかなりの大作で第一部(教授選)が全10回、第二部(教授就任後〜医療裁判、財前死す)は全21回となっており、人間の生死を扱う医療という現場での権力闘争を描いたかなり疲労感を感じさせられる内容となっていますので、オススメのシーンをピックアップしてご紹介します。

 

まず第1点のオススメは出演の俳優陣です。メインは演技派の唐沢寿明と江口洋介の2名ですが、その他の主要人物から脇役までかなりリアルでドラマに引き込まれる俳優が起用されています。

 

一例として、youtubeで「甘いお方だ」と検索すると、船尾東都大学教授(中原丈雄)と東教授(石坂浩ニ)が自身の後任教授選挙の対策を行うシーンを見ることができますが、この場面では東教授が後輩である船尾教授に選挙対策の準備不足を指摘されて逆上し、自宅の鉢植えを蹴り壊していきます。

 

ちなみにこのシーンでは娘役の矢田亜希子が父の東教授に落ち着くように促しています。ここだけを切り取って見てみると理解が難しいかもしれませんが、シリーズを通して見ると、医療行為やその能力とは直接関係のない政治的な部分が医局では重要となっていることがわかるとともに、こうした部分で上手く立ち回れない東教授の屈辱や怒りがうまく描写されており、改めて石坂浩二の演技に引き込まれます。

財前五郎の最期

また、もう1点はこのドラマのエッセンスが全て詰まったシーンとして「財前五郎の最期」があげられます。財前は、教授という地位を確立し、癌センターのセンター長という更なる権力の獲得を目指していたため、診療行為を疎かにして患者を死なせてしまうという医療事故を起こしてしまいます。

 

最終話では末期ガンにより意識が混濁して里見教授を前にして独り言のように喋るシーンがありますが、一人の医療従事者として癌センターを開設してより多くの命を助けたいという純粋な思いや、医療事故により患者を死なせてしまったという後悔が述べられています。このシーンだけを切り取って見ても、様々なことを考えさせられますが、最初から通して見るとかなり時間はかかる一方で、よりこのドラマに引き込まれますので、ぜひご覧ください。

 

 

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