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私が足立美術館を訪れたのは今から約4年前です。主人の転勤で中国地方に住んでいた時に、島根旅行をした際訪れました。それまでは関東地方の出身だったので、足立美術館という存在すら知りませんでした。

 

夫婦二人で島根に旅行へ行こうということになり、島根のガイドブックを購入し、さあどこに行こうかと思いを巡らせていたときに、「ミシュランで三つ星を獲得した美術館」というキーワードに目が止まり、興味を持ちました。

 

旅行のついでに立ち寄ってみよう。さほど期待せずふらりと立ち寄るイメージでしたが、実際訪れると時間を忘れて何時間も滞在してしまいました。

 

目次

庭園日本一

まず入り口の所に「庭園日本一」と石に書かれていました。私が訪れたときには「2003年から11年連続」と書かれていましたがそんなに長い間、日本一だったのかと驚いたことを覚えています。

 

現在はどうなのかに気になりましたが、アメリカの日本庭園専門誌で、全国の日本庭園900カ所以上を対象に行った2018年日本庭園ランキングにおいて、この足立美術館が「16年連続日本一」に選ばれたそうです。

 

当時私はまったく足立美術館を知らずに訪れたので、美術館なのになぜ庭園で日本一?と疑問をもちながら前に進みました。

 

中を進み、まず目に飛び込んできたのは「枯山水庭」です。この枯山水がそれはそれは見事で美しく、私は呆然としてしまいました。今までこんな見事な枯山水を見たことはありません。

 

ガラス越しでしか見ることはできませんが、この感動はガラスを通してでも伝わります。ここで初めて「庭園日本一」ということに納得しました。

 

枯山水の次は「苔庭」がありました。丁寧に管理されているであろう苔が、私の目には本当に可愛らしく見えました。この苔庭を小さなミニチュワにして持ち帰りたい。そんな気持ちになりました。その先も更に見応えがありました。

 

横山大観の名作をモチーフにした「白砂青松庭」が、これでもかと足立美術館初心者の私の目の前に圧倒的な存在感を示します。様々な形に端正に整えられた松。庭を眺めながら浮かんできたのは、その裏で仕事をしている職人さん達の素晴らしさです。

 

この美しい庭を維持するのにどれだけの労力を費やしているのだろうかと、想像しながらなんだか胸にこみ上げてくるものがありました。

池庭

この白砂青松庭の反対側に「池庭」があります。池がメインの庭で、奥には茶屋があり、その茶屋を取り囲むように美しく茂る松や紅葉が立派でした。

 

一見、何の気なしに植えられているように見え、きっと計算しつくされて配置されているのだと思われます。

 

枯山水庭からこの池庭まで、発した言葉は「凄い」が殆どだったと思います。他に何か言葉を発したかどうかもう記憶にありませんが、ただただ「凄い」この言葉につきます。

 

私が訪れたのは秋になる少し前で、庭園の樹木はまだ青々としていましたが、紅葉の時期なども見事だと思います。また冬でも雪景色など、春夏秋冬それぞれ違う顔を見せてくれる庭園だと思います。

 

庭園を順路に沿って進んでいくと、中庭には色づきはじめた紅葉もあり、落ち着いた雰囲気に心から癒やされました。

 

ここまでは庭園を堪能しましたが、やはり「足立美術館」ですので、もちろん立派な美術品も展示されています。

 

横山大観

ここでも庭園の時と同様、衝撃を受けることになります。「横山大観」は、美術にうとい私でも有名な画家と言うことは知っています。

 

その横山大観の作品が多く展示されていたのに驚きました。例えば、美術素人の私でも「紅葉」や「無我」という作品はタイトルこそ知らなくても作品はテレビ番組などで目にしたことがあります。

 

え?これ本物なの?主人と声をひそめ話しました。また、横山大観だけではなく、陶芸家の北大路魯山人の作品もあり、驚きはとどまることを知りません。

 

どうしてこの島根にこんな立派な庭園があり、そして横山大観や北大路魯山人といった有名な方の作品があるのが不思議で仕方ありませんでした。

 

その疑問を紐解くように、創設者の生い立ちも書かれていました。

 

創設者の足立全康

「足立全康さん」という方が創設者のようです。この足立全康さんが幼少期より紆余曲折あり、興味を抱いていた日本画を集め、昭和45年の71歳の時に苦労をしてこの足立美術館を創設したと書かれていました。

 

昭和45年からという長い年月を掛けたからこそあの立派な庭園が出来たのだとはじめて足立美術館の歴史に触れ、胸がいっぱいになりました。

 

主人と一緒に何度も「来て良かったね」を繰り返し、思い出深い旅となりました。帰る前に、ギャラリーでしばらく余韻に浸りながら、色々なお土産を見ていました。

 

興奮を冷ますのには良い場所でした。それまでは美術には本当にうとかったのに、すっかり日本画の魅力につかれ、横山大観の複製画が欲しくなる始末です。

 

複製画とまではいかなくても、大観の作品「紅葉」の大判のハンカチやハガキを購入して自宅に飾ることにしました。今でもこの「紅葉」のハンカチを秋になると額縁に入れて飾って楽しんでいます。

 

現在も転勤で全国を転々としていますが、足立美術館の時のような衝撃と感動の場所はそうそうあるものではありません。本当に貴重な、素晴らしい場所だと思います。またいつか絶対に訪れたい場所の一つです。

 

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