目次
登場人物
刑事7人」(シーズン2)は、東山紀之演じる、警視庁機動捜査隊の刑事・天樹悠を中心とし、その他、12係の係長・沙村(髙嶋政宏)を中心とした刑事、未来犯罪予測センター所属の山下(片岡愛之助)、刑事総務課長の片桐(吉田鋼太郎)、法医学者の堂本(北大路欣也)ら、それぞれのエキスパート7人が、難解な事件に挑む刑事ドラマです。
その中で、最終回の第9話「最終決戦!連続殺人を予告する男、天樹への挑戦状!」を取り上げていきたいと思います。
内容
「刑事7人」第9話は、天樹の前に、殺人予告をする大学院助手・山崎晃(山本裕典)が現れることから始まります。
山崎の殺人予告通りに、次々と同じ凶器と手口による3件の殺人事件が起きるのです。
一人目の被害者は、IT企業の社長・藤岡伸行。
彼は、会社が粉飾決算をしてしまうほどに、困窮していました。
二人目は、会社をリストラされた宮川。
三人目は、両親の経営する学習塾が不振に陥っていた、矢野。
山崎のアリバイ
事件を言い当てた山崎をすぐに怪しんだ天樹らは、山崎を警察署に連行しますが、山崎には、アリバイがあったのです。
そして、死亡した3人は、皆、ヤミ金にさえ断られる程にお金に困窮していました。更に、3人は、それぞれ生命保険に加入しており、凶器には指紋は付いておらず、防御そうなどもなく、一刺しで死んでいることから、自殺として事件は片付けられたのでした。
ところが、事件の起きる数ヶ月前に、オンラインショップで、同じ型の出刃包丁が同時購入されていることが分かり、四人目の被害者、上野もいたことが分かりました。
上野は他殺?
しかし、彼だけは、窒息死。本人のものではない皮膚へんが発見されたため、他殺と考えられました。
全ては、山崎が、それぞれ被害者の弱い感情を操り、自殺幇助へと導いたのです。会社社長・藤岡は、自身の会社を倒産に追い込み、多くの人に迷惑を。
リストラされた宮川には、娘がおり、私立の中学・大学、幸せな家庭を築いて欲しいと望み、矢野は最後に親孝行をしたいと祈願し、それぞれが、自殺することにより、その生命保険を、愛する者に送ることができる状態にありました。
けれど、生命保険会社は自殺に対して、免責期間を設けており、そのため、山崎が必要なのでした。
ところが、唯一自殺を否定した上野を、山本は首を絞めて殺してしまうのです。
人間の危うさ
このドラマには、脆弱した人間の精神状態の危うさと、短絡的な感情の吐露と同時に、
自分を殺めてでも、愛する者を救いたいという、大切な人への深い愛情が感じられます。
そのような、人間であれば誰もが抱く、様々な感情を巧みに操り、誤った道へと導いた山本に対して、憤りしか感じません。
山本は、自分を、「感情にとらわれず、冷静に判断のできる、特別な4%側の人間だ」と言っていますが、結局は、山本も人間。
自分の立場が危うくなった途端、感情的になり、殺人を犯してしまいます。
そんな人間の様々な様相をこのドラマの最終回で見たような気がします。
色々なことを考えさせられる内容でした。
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